Budapest Hungary 20 July 2007

 

2007年A BIGGER BANGヨーロッパ・ツアー。

昨年の夏のヨーロッパ・ツアーが例のキースの一件でキャンセル&延期になり、

チケットも用意してスタンバイしていたチェコのブルノ公演とオーストリアのウィーン公演のリベンジということで、

ツアー日程発表後すぐに決断を下し、今回、ハンガリーのブダペスト公演、そして正にリベンジのチェコのブルノ公演へ旅立った。

飛行機はオーストリア航空、ウィーン経由ブダペスト行きの往復チケット。

ブダペストからチェコのブルノへは、列車の旅。昨年も体験したが、なかなかいいものだ。

 

18日(水)の午前に成田を発ち、ブダペストへは夕方到着。

ブダペスト到着直前に、飛行機の窓からスタジアムが見え、ステージの骨組みやBステージがしっかりと見て取れた。感激!

こんな事で感激してしまうなんて、ほんと、STONESのことになると子どもになってしまう。

しかし・・・とにかく暑い!本当に暑い!昨年のドイツ〜チェコも暑かったが、それにも増して暑い!

40℃以上の熱波で、ニュースでは、クーラーの無いバスの車内はなんと43℃とのこと!

 

空港からホテルへ到着、部屋の窓から外を見ると・・・なんとスタジアムのセットの骨組みが、見える!

ホテルはちょうど、ステージの後ろ後方に位置し、スタンドも見える。

安くてスタジアムに近いホテルをと、ネットで予約し、スタジアムのすぐそばとは判っていたのだが、

部屋からステージの骨組みが見える とは、いよいよここで見るんだなと感動してしまった。

 

翌朝には、何台ものトレーラーが到着しているのを窓から確認。

早速スタジアムをチェックしようとホテルを出発。すると、ホテルから外に出たとたんに頭がクラクラするほどの暑さ!

 

しかし、そこはSAMURAI魂で歩いてスタジアムへ近づく。

そこにはセキュリティーがいるのだが、なんと何も言われず スタジアムの中へ入れてしまった!

スタジアムは、かなり古くてちょっと汚い感じ。

ホテル側はちょうどステージの裏にあたるので、歩き着いたステージ裏の骨組みを見学。

これからステージを組み立てるのだろう、地元の若者らしいバイト君たちが説明を受けていた。その間、しっかり写真撮影。

歩いてスタンドを半周したところ、セキュリティーが近づきハンガリー語でなにやら言っている。

英語で聞き返すが、英語が判らない様子でハンガリー語と身振り手振りで

「写真はダメ。ここは入っちゃダメ。」ということで、 ここでスタジアム見学は終わり。

周りを歩き、今度はどこのゲートに並んだらいいのかをチェック。

しかし、前日の午前のため、それらしいところが判らず、他のセキュリティーに聞いたが(若いヤツで英語が少し出来た)

的を得た答えが返って来ず、暑さと空腹もあって、スタジアムから離れる。

  

 

この日は公演前日のため、しっかり観光も。 登山電車と子供鉄道に乗り、30分山登り。

ヤノーシュ山の頂上の展望台からブダペストの町を一望した。

そしてトラムに乗って、くさり橋〜王宮を見て、最高に美味しいハンガリー料理とビールとワインで前祝い。

帰りはフォーシーズンズの前で出待ち。20人くらいのファンがいたが、結局チャック家族しか出て来なかった。

この日の夜、ティム・リースのLIVEがあったのだが、あまりの暑さに参ってしまい、明日に備えて断念したのだった。

 

20日(金)LIVE当日。 ゆっくり起床して、軽い朝飯を取り部屋でハングアウト。

ホテルの窓から見えるスタジアムは、骨組みからステージ・セットへと変わっていた。

そしていよいよホテルを出て、スタジアムへ。

途中のコンビニで水とスナックを買い、スタジアムの横の一番近いところを通る道を歩いて行くと、ありました、ゲート!!

ゲートには12時頃に到着したのだが、既に15人くらいのファンが並んでいた。

というか、皆少しばかりある日陰に入り、 ゲート前にはそれぞれ、ダンボールや敷物などを置いていた。

既に並んでいたアメリカ生まれのポーランド人の細〜いおばさんが英語を話せたので、チケットを見せ、

並ぶゲートはここでいいのか聞くと、 親切にいろいろ教えてくれた。

スタジアムの両側にゲートがあり、こちらはキース・サイド、ロニー・サイドはぐる〜っと廻った向こう側とのこと。

ブダペストではキース・サイドにしようかな?とも思っていたし、45℃(!!!)の酷暑の中、ぐる〜っと歩くのも無理だったし、

並んでいる様子をチェックしてから、もう少し遅く来ようかなとも思っていたのだが、

暑さの中どこへ行く気もなくなり、 疲れるだけなので、このゲートに並ぶことにした。

この大きなゲートの内側には、20列ほどのエントランス・ゲートがあり、それぞれの列から入場出来るようになっていた。

つまり、20人ほどの人が1番になれるということ。これだったら、もう少し遅く来ても大丈夫だったようだ。

この頃は20列のうち、まだ半分も列が出来ていなかったので、その内の1列にバンダナと荷物を置いて陣取り。

小さな街路樹で出来た申し訳程度の日陰に腰を下ろし、長い1日が始まった。

 

チケットには開場が16:00、開演18:00と明記されていたのだが、程なくしてスタッフがゲートに何やら張り紙をし始めた。

「この酷暑のために開場を17:30に変更。」

18:00でもまだまだ太陽は高く、熱気が合わさると大変なことになってしまうのだろう、容易に想像は出来る。

意外と並ぶ時間は短くて済むなと思っていたが、結局5、6時間は並ばされるんだな。

ゲート前にいる間、買い込んだ2リットルの水はどんどん無くなり、

置いておいても、本当に、本当にお茶が入れられるような お湯になってしまうほどだった。

かっこいいお姉さんが「向こうに水道があるわよ!Tシャツやバンダナを濡らすとすっごく気持ちいいわよ!」と

道路の向かいのきったないボロ市場にある水道を教えてくれ、

空いたペットボトルやビニール袋に水を汲んで、頭からかぶったり、 バンダナを濡らして首の後ろを冷やしたり、なかなか重宝した。

また、さっきの細〜いおばさんの連れの女の子が氷をくれたり、十数人の仲間意識の中、暑い中でも楽しい時間を過ごした。

それにしても、水はどんどん体が要求するのだが、食欲はまったく出ず、朝のチョコパン1個と、チップス半分。大丈夫かね。

陣取りのバンダナでは小さいし飛びそうなので、ボロ市場できれいな新品のバスタオル&スポーツタオルを買って、敷き直した。

座るのにもいいしね。400円と200円。結構しっかりしたタオルだった。(笑)

 

15:00頃になるとゲート前の人も多くなり、日陰からゲート前に移動。

16:30頃には、ゲート内にセキュリティーがスタンバイ。「お、早めに開くのかな?」と思ったが、そんなことはなく、

17:30頃、セキュリティーたちが配られたアイスクリームを食べ終えてからほどなく、いよいよゲート・オープン。

20列ほどのゲートが一斉に開き、誰が早く走り出せるか?!(笑)

まずはセキュリティー。手ブラだったので、持っていたペット・ボトルのキャップを取れと言われただけ。

次はチケットのバーコードをスキャン。なかなかスキャン出来ないところもあり、これでも少し差が出来る。

そして、チケットをもぎってもらい、スタート!!

スタジアムへ走り、スタジアムを四分の一ほど走り、マラソン・ゲートからフィールドへ入り、ステージを目指して走る!!!

そしてゲットしました、キース前最前列!!!イェイ!!!

着いた時には、皆ハァハァ、ゼェゼェ。走っているときも、走り終わったときも、ほんとに苦しい。

マジのダッシュ。きつい。

しかし、ほんと、ダブリンの時のようなアリーナならまだしも(しかもドアからのスタートだったし)、

広いスタジアムで、老体に鞭打って走って席取りなんて、これはもう出来ないなと思った。

自分の場所を確保し、周りを見てみると、3人となりには並んでいるときに一緒だった地元の年齢不詳の男子2人が、

そしてすぐ後ろには、これまた並んでいるときにすぐ後ろにいた地元の女の子2人がいたり、みんな笑顔。

柵の前には、最高に頑強そうなセキュリティーが構えていて、ステージではクルーがいろいろ動いている。

 

19:00を過ぎた頃、ウォームアップ・バンドのシャーラタンズが登場。この頃でも、まだまだ明るい。

1時間足らずの演奏が終わり、いよいよあと1時間くらいでSTONESの登場だと思うと、ドキドキ、ワクワク。

後から知ったのだが、この日は42℃を越える酷暑という事で、主催者側がオーディエンスのためにたくさんの水を用意していたそうだ。

シャーラタンズが始まる前から、セキュリティーがビニール袋に入った水を、前の方には手渡しで、後ろには投げて渡していた。

そして、STONESが始まる前には消防隊が柵前に登場し、太い消火ホースでオーディエンスに向かって放水を始めた。

これは、頭から雨のように水をかぶって、本当に気持ち良く、涼しくなった。

ステージ横のスクリーンでは、rollingstones.comの宣伝映像が何回か流れ、いよいよ盛り上がってきた。

 

そして21時を少し過ぎた頃、照明が落とされ、例のA BIGGER BANG TOURのイントロ映像が始まった!

このイントロが始まると、本当にいつもいつも興奮してしまう。

そして、自身ちょうど30回目となるSTONESのLIVEが始まった。

チャーリーがドラム・セットに座り、キースの姿が見え「ジャージャジャッ!」というギターが響き、 ミックとロニーが続いて出て来るのが見えた。

ヨーロッパ・ツアー、オープニングの定番「Start Me Up」。

途中、ミックが「You make a grown man cry」というところで早く歌いだしてしまい、少しの間、演奏とズレてしまった。 頑張れミック!

「You Got Me Rocking」では、「Hey! Hey!」とお決まりの掛け声を大声で。楽しい!

2曲終わるとミックがハンガリー語でご挨拶。スタジアムは大歓声。

そして次の「Rough Justice」。ミックもやってくれたが、ここでキースもやってくれた。

キースがギター・リフをスタートさせたが、何かヘン?!ロニーとチャーリーも入りかけるが、そこでキースは腕を上げ、演奏ストップ。

少し間があり、何かヘンな感じでリスタート。キース、やってくれる。

この日のキース、チャーリー、ロニーの3人は、なぜか揃ってグリーンのTシャツ。

私もちょうどSHIDOOBEEのグリーンのTシャツを着ていたので、3人とお揃いとなったいた。(笑)

「Ruby Tuesday」では、あのキースのハモリも健在、「You Can't Always Get What You Want」では全員で大合唱。

続く「Midnight Rambler」は10分強の長さだったのだが、ミックのダンスもかなり激しく、ハープも決まっていた。

そして楽しみだったJames Brownのカバー曲「I'll Go Crazy」。これはもう、リサの独壇場。

間奏では、ミックとチーク・ダンス。髪をアップにし、ミニ・ドレスのリサの熱唱は、本当にCOOLだった。

ところで演奏の最中もセキュリティーからどんどん水が投げ込まれ、皆それを噴水のように宙に噴させ、それがシャワーのように水が飛び交う。

それがまた気持ち良く、楽しい。

そして「Tumbling Dice」〜メンバー紹介と続き、いよいよキース・コーナー。

ここでは、行く前から「この2曲!」と思っていた2曲を演奏してくれた。

ギターを始めから持たず、スタンド・マイクに向かうキース。キースにはいつもギターを持っていて欲しいが、ここはキース・コーナー。

そう正にここはキースのソロ・セット。好きなようにやってくれ、キース。

ミックの紹介で出てきたキース、かなりの歓声で話し出せない。

それにしても、初めて聴く「You Got The Silver」、かっこいい。キースのヴォーカルも、ロニーのスライドに乗って、イカす。

ブダペストも結構キース・ファンが多いようだ、一緒に歌っているファンも多い。

そして久し振りに聴く「Wanna Hold You」。これもいいね、シンプルなR&R。

キース・コーナーが終わるとBステージの時間。

最前列キープのため、Bステ近くに動くことは出来ず、「すぐに帰って来てね〜」とかなり遠いBステージを爪先立ちで確認する。

Bステでは代表曲の2曲なので、遠いファンもかなりの盛り上がり。特に「Satisfaction」では皆飛び上がっての盛り上がりようだった。

昨年までフラワー・タンだった大きなバルーン・タンは、普通の赤いベロに変わっていて、「Honky Tonk Women」でお帰り〜。

 

 

ここから後は、怒涛の流れで興奮の坩堝。

この日のミックは、全体を通してかなりキース・サイドに来ていて、目の前で熱唱。

もちろんキースの笑顔もじっくりと見え、何だかかわいい〜。

この頃、後ろにいた女の子の一人がセキュリティーを呼び、セキュリティーが近づいたところで倒れてしまった。

隣の人と一緒に彼女を抱き上げ、柵の中のセキュリティーに託す。

連れの女の子は心配で泣き出してしまい、一緒に行きたいとセキュリティーに頼んで、またまた抱き上げてあげたのだった。

 

そして始まった「Sympathy For The Devil」では、最初の「Pleased to meet you hope you guess my name」のところで、

ステージ両脇で爆音とともに火柱が上がる。かなり近いところなので熱さも感じて、びっくり。

「Paint It Black」ではロニーのシタール・ギターが鳴り響き、オールド・ファンも大盛り上がり。

続く「Jumping Jack Flash」ではスタジアム中が大爆発。

大興奮の中、ステージ上の何発もの爆砲とともに(これまた凄い音でビックリ)、アンコールの「Brown Sugar」。

ミックはステージ端から端まで走り、キースも嬉しそうに端まで行ってサービス。花火もステージ横でバンバン。

曲が終わると巨大ステージの一番てっぺんから、幅50cmほどの黄色い大きな布のテープが下まで落ちて来た。これも新しい演出。

最後にいつもの全員でお辞儀、そして4人でのお辞儀が終わり、青く輝く巨大セットの真中に赤いベロ。

アンコールとばかりに、拍手や歓声が鳴り止まず、約2時間のLIVEに皆酔いしれている。

あぁ、終わっちゃったなぁ、と思っていた頃、ステージ後ろからドッカ〜ンと花火が上がった。

再び大歓声が上がり、ボンボン、パンパン、ブダペストの夜空に上がった花火は本当に綺麗だった。

 

 

1 Start Me Up

2 You Got Me Rocking

3 Rough Justice

4 Ruby Tuesday

5 You Can't Always Get What You Want

6 Midnight Rambler

7 I'll Go Crazy

8 Tumbling Dice

--- Introductions

9 You Got The Silver (Keith)

10 I Wanna Hold You (Keith)

11 Miss You (to B-stage)

12 It's Only Rock'n Roll (B-stage)

13 Satisfaction (B-stage)

14 Honky Tonk Women (to main stage)

15 Sympathy For The Devil

16 Paint It Black

17 Jumping Jack Flash

18 Brown Sugar (encore)

 

こうして終わったブダペスト公演。

全18曲、そしてスタンダードなセットながらも、実際に見ている時にはそんな事も忘れ、最高なLIVEだった。

終了後、フィールド内の売店で冷た〜い生ビールと、メンチが挟んであるようなバーガーを買った。

そのビールの美味かったこと、美味かったこと!

バーガーもこれまた美味しく、朝から何も食べていなかったこともあり、一気に完食。

そして、道端のブートTシャツを見たり、コンビニでビールを買い込んで、歩いてホテルまで帰り、長い1日が終わった。

撤収をしているのだろう、夜中までスタジアムのライトが灯っていた。

 

 

 

photo from NOL.hu

 

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